介護の仕事とは?仕事内容を基礎からやさしく解説
- 医療法人 博順会
- 5月23日
- 読了時間: 15分

▶︎1. 介護の仕事とは?基本をわかりやすく解説

1.1 介護の仕事の定義と役割
介護の仕事とは、高齢者や障がいを持つ人が日常生活を安心して送れるように支援する仕事です。 具体的には、食事・入浴・排せつなどの身体的な介助から、話し相手になる精神的サポートまで多岐にわたります。
介護職の役割は単に「手助けする人」ではありません。 本人の自立を促し、尊厳を守りながらサポートすることが求められます。
人の生活に深く関わり、信頼関係を築いていく仕事だからこそ、やりがいも大きいのが特徴です。
こんな経験、ありませんか?
「年配の方に席を譲ったら、すごく感謝された」
「祖父母の世話をして、自分が役に立てたと感じた」
「人に喜んでもらえる仕事がしたいと考えている」
そんな思いを形にできるのが、介護の仕事なんです。
1.2 介護の主な仕事内容
介護の仕事は、働く場所や職種によって内容が異なりますが、主に以下の4つに分類されます。
たとえばこんな内容があります。
身体介護:食事・排せつ・入浴・着替えなど、生活動作のサポート
生活援助:掃除・洗濯・買い物など、暮らしを支える作業
見守り・コミュニケーション:利用者との会話、日常の安全確認
レクリエーション活動:体操・ゲーム・趣味活動のサポート
これらの業務を通して、利用者の生活リズムや健康状態を把握しながら、安心して暮らせるよう支援します。
よくある失敗例としては…
①「身体介助ばかり」と思って始めたら、実は事務作業も多くてびっくり
②「家事支援がメイン」と聞いていたのに、急に入浴介助を任されて戸惑った
③ コミュニケーションが苦手で、利用者との距離感が掴めずストレスに
こうしたミスマッチを防ぐには、職場の業務内容を事前にしっかり確認することが大事です。
1.3 介護職が関わる施設の種類
介護職が働く場所はさまざまです。代表的な施設には以下のような種類があります。
介護老人保健施設(老健):リハビリを中心とした短期入所型施設
特別養護老人ホーム(特養):常時介護が必要な高齢者のための生活施設
有料老人ホーム:介護付き・住宅型などのバリエーションが豊富
グループホーム:認知症対応型の小規模施設
デイサービス(通所介護):日中のみ利用し、自宅に帰るスタイル
訪問介護:利用者の自宅を訪問して支援を行う形式
それぞれの施設で求められるスキルや対応も異なるため、自分に合った環境を選ぶことが働きやすさのポイントになります。
たとえば、デイサービスではレクリエーションや送迎が多く、一方で特養では夜勤を含めた24時間体制の勤務になることもあります。
忙しい朝に「今日はどんな一日になるかな」とワクワクできるような職場を選ぶには、施設の雰囲気や方針を事前に見学しておくのがオススメです。
▶︎2. 介護の仕事で求められるスキルと資格

2.1 必要な資格と取得方法
介護の仕事を始めるにあたって、代表的な資格は以下の通りです。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
実務者研修
介護福祉士
ケアマネジャー(介護支援専門員)
最初に取得するのは「介護職員初任者研修」が一般的です。130時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格すれば取得できます。
この資格は、介護職の“入門編”のような位置づけで、訪問介護や施設での身体介護も可能になるのがメリットです。
その後、実務経験を積みながら「実務者研修」→「介護福祉士」→「ケアマネジャー」とキャリアアップする流れが王道です。
介護福祉士の国家試験は、毎年1月に実施され、合格率は約70%前後。
よくある失敗例としては、
①「資格は簡単に取れる」と思い込んで勉強時間が足りなかった
② 「働きながら講座に通えると思っていたら、時間の確保が難しかった」
③ 「資格取得後も学びが必要なのに、勉強をやめてしまった」
こうした失敗を防ぐには、スケジュール管理と継続学習の意識が大事です。
資格は“ゴール”ではなく、“スタート”という意識で取り組みましょう。
2.2 資格がなくても始められる介護の仕事
介護職は、未経験・無資格からでも始めやすい仕事として知られています。
たとえば、介護施設の中には「資格不問」で募集している職場も多く、最初は生活援助や清掃・見守りといった業務からスタートできます。
未経験者が働きやすい理由はこちらです。
マニュアルが整っている施設が多い
OJT(現場研修)を受けながら仕事を覚えられる
資格取得を支援する制度が整っている
中には「働きながら初任者研修を無料で取得できる」制度を設けている職場もあります。
ただし注意点もあります。
① 無資格だと業務範囲が限られる(身体介護ができない)
② 資格取得が前提の職場もあり、あとから勉強が必要
③ 同じ業務をしていても、有資格者と待遇差が出ることがある
このようなことを避けるために、できるだけ早い段階で初任者研修を取るのがおすすめです。 仕事と並行して勉強することも可能なので、長期的に考えてスキルアップを目指しましょう。
2.3 介護職によく求められるスキルとは
介護の仕事では、資格だけでなく人間力や対応力も非常に重視されます。
現場でよく求められるスキルには、次のようなものがあります。
コミュニケーション力
利用者や家族との会話、スタッフ間の連携など、対話が欠かせません。
観察力と気配り
小さな変化にも気づき、体調不良の兆候を見逃さない力が必要です。
体力と持久力
長時間の立ち仕事や移乗介助など、体を使う場面が多くあります。
ストレス耐性と切り替え力
時には厳しい言葉を受けることも。気持ちを引きずらないことが大切です。
こんな失敗もよくあります。
①「体力に自信がある」と思っていたのに、腰痛や疲労が溜まって続かない
② 利用者との距離感を掴めず、関係構築がうまくいかなかった
③ 忙しいときに焦ってしまい、ミスをしてしまった
これを防ぐためには、正しいボディメカニクスの知識や、相談しやすい職場環境を選ぶことがカギです。
最近では、ICTを導入して記録業務を効率化したり、業務負担を軽減する取り組みを行っている施設も増えています。
スキルは経験とともに磨かれていくもの。焦らず一歩ずつ進めば大丈夫です。
▶︎3. 介護の仕事の魅力とやりがい

3.1 利用者との信頼関係が生むやりがい
介護の仕事の最大のやりがいは、利用者との信頼関係を築けることです。
日々の会話やサポートを通して、少しずつ心を開いてもらえる瞬間があります。 はじめは会話もままならなかった方が、名前を覚えてくれて「ありがとう」と微笑んでくれる。 そんな小さな変化が、大きなやりがいにつながります。
特に在宅介護や小規模な施設では、利用者と長期的に関わるケースが多く、「あなたがいてくれてよかった」と直接感謝の言葉を受け取ることも。
人と人との関係性の中で生まれる喜びが、この仕事ならではの魅力です。
ただし、最初からうまくいくとは限りません。
よくある壁としては…
① 距離感がつかめず、気を使いすぎて疲れてしまう
② 利用者との信頼が築けず、会話が続かない
③ ご家族とのコミュニケーションに悩む
こうした課題を乗り越えるには、焦らず時間をかけて向き合う姿勢が大切です。
信頼関係は一日ではできません。毎日の積み重ねが力になります。
3.2 介護の仕事で得られる成長と達成感
介護の仕事では、単なる作業では得られない自己成長や達成感があります。
たとえば、日々の観察を通して体調の変化に気づけるようになったり、介助の技術が上達したりと、目に見える形でスキルアップしていきます。
特に印象的なのは、こんな場面です。
一人で立てなかった方が、リハビリを経て歩けるようになった
食事を拒否していた方が、少しずつ食べる量が増えてきた
無表情だった方が、笑顔で話しかけてくれるようになった
利用者の「できた!」を一緒に喜べることが、何よりの達成感になります。
一方で、介護の仕事は簡単ではありません。失敗や戸惑いもつきものです。
よくある課題として…
① 思うように動いてくれず、感情的になりそうになる
② 体力的にきつくて継続できるか不安になる
③ スキルが足りず、先輩に迷惑をかけてしまうと感じる
でも、それも成長のプロセスの一部です。 先輩に相談しながら乗り越えていくことで、「できなかった」が「できた」に変わる瞬間が訪れます。
3.3 働く人の声から見える魅力
実際に現場で働いている人たちの声には、介護の仕事の本質的な魅力が詰まっています。
たとえば、よく聞かれる声にはこんなものがあります。
「ありがとうの一言で、疲れが吹き飛ぶ」
「人の役に立っている実感がある」
「毎日違う表情が見られて、飽きない」
「人間関係が密だからこそ、信頼が深まる」
「チームで協力して仕事をするのが楽しい」
中でも特に多いのが、「この仕事を通して人間的に成長できた」という声です。
介護現場では、知識だけでなく、思いやりや忍耐力、相手を理解しようとする姿勢が求められます。 それが、自分自身の考え方や価値観を深めるきっかけになることも少なくありません。
ただし、現場の声には厳しさもあります。
① 忙しさで利用者と向き合う時間が取れない
② 給与と仕事内容のバランスにギャップを感じる
③ 夜勤などの勤務形態に体調を崩す人も
こうした声からもわかるように、介護の仕事はやりがいと大変さが表裏一体です。
でも、その中で自分にしかできない支援を見つけていくことで、仕事への誇りや喜びが深まっていきます。
▶︎4. 介護の仕事に向いている人の特徴
4.1 向いている性格や考え方の傾向
介護の仕事は人と深く関わるため、性格や考え方が大きなカギになります。
向いているとされる主な特徴はこちらです。
思いやりがある:相手の立場に立って行動できる
忍耐力がある:すぐに結果が出なくても根気よく向き合える
変化に気づく観察力がある:小さな違和感にも敏感に対応できる
チームワークが得意:他のスタッフと協力しながら動ける
感情をコントロールできる:状況に応じて冷静な判断ができる
とくに重要なのが「聞く力」と「共感する姿勢」です。
介護現場では、利用者の話を丁寧に聞くだけで不安が和らぐことも多く、その積み重ねが信頼関係につながります。
また、向き不向きを考えるとき、「完璧じゃなくても大丈夫」という視点も大切です。 最初からすべてをこなせる人はいません。大切なのは、学ぶ姿勢と相手に寄り添う気持ちです。
4.2 こんな人は注意!ミスマッチの原因と対策
一方で、介護の仕事が合わないと感じてしまう人もいます。
続けられなくなる主な理由は「ミスマッチ」によるものです。
よくあるミスマッチの原因には以下があります。
① 「人と関わらずに黙々と作業したい」タイプ
→介護は常に人と関わるため、コミュニケーションが苦になる場合はストレスに。
② 「感情をすぐ表に出してしまう」タイプ
→時に厳しい言葉をかけられる場面もある中で、冷静さが必要です。
③ 「体力や腰痛への備えが足りない」ケース
→体を使う仕事なので、対策がないと身体的負担が大きくなります。
対策としては、
自分の性格や価値観を把握したうえで職場選びをする
配属先や業務内容を事前に確認し、無理のないスタートを切る
職場見学や体験入職などで、現場の雰囲気を知っておく
これらを意識することで、「思っていたのと違った…」という失敗を防ぎやすくなります。
特に、初めて介護職に挑戦する人ほど、実際の業務とのギャップに注意が必要です。
4.3 働く前に意識したいポイント
介護の仕事に就く前に、意識しておくべきポイントがいくつかあります。
たとえばこんな点をチェックしておくと安心です。
介護の仕事は“感情労働”であること
感謝される一方で、心がすり減る場面もあるため、ストレス対策が必要です。
業務は多岐にわたるという理解
介助だけでなく、記録作業・送迎・レクリエーションの企画なども含まれます。
介護を“自分ごと”として考える覚悟
日々の関わりが利用者の生活に直結するため、責任感が求められます。
さらに、事前に意識しておくと役立つ心構えはこちらです。
「教えてもらう姿勢」を大切にする
わからないことを曖昧にせず確認する
感情をリセットする習慣をつける
このような意識があると、現場に入ったあとも戸惑いが少なくなります。
介護の仕事は、“人のため”と“自分の成長”が両立できる貴重な仕事です。
だからこそ、自分自身の価値観や性格と向き合いながら、じっくり判断していきたいですね。
▶︎5. 介護業界の現状と今後の展望
5.1 高齢化社会と介護人材のニーズ
日本は今、世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。
65歳以上の高齢者人口は年々増加しており、全人口の約30%近くを占めています。
それに伴い、介護を必要とする人も急増。 厚生労働省の資料によると、介護職員の必要数は2025年時点で約243万人に達する見込みとされています。
しかし、実際には人材が追いついていないのが現状です。 介護現場では「人手不足」が深刻で、どの施設も常にスタッフを探している状態が続いています。
このような背景から、
未経験でも歓迎されやすい
資格取得をサポートする制度が増加
若年層や外国人材の受け入れが進む
といった取り組みが広がっており、今後ますます介護職のニーズは高まると予測されています。
「今から始めても遅くない」「年齢を問わず挑戦できる」——それが介護の現場です。
5.2 働き方の多様化とキャリアパス
これまで介護職というと、長時間労働や夜勤のイメージが強かったかもしれません。
ですが最近では、働き方の選択肢が大きく広がってきています。
たとえば、
日勤のみのシフト勤務
週2~3日のパート・時短勤務
資格を活かしたフリーランス介護士
ICT導入によるリモート支援の活用
など、生活スタイルや家庭の事情に合わせた働き方が増えています。
また、キャリアパスも多様です。
キャリア段階 | 主な役割 | 必要資格・経験 |
介護職員(初任者) | 身体介護・生活支援 | 初任者研修 |
サブリーダー・リーダー | 後輩指導・業務管理 | 実務者研修/経験 |
介護福祉士 | チームの中核・多職種連携 | 国家資格/実務経験3年以上 |
ケアマネジャー | 介護計画の作成・相談支援 | 介護支援専門員/試験合格 |
管理職(施設長など) | 全体マネジメント | マネジメント経験・資格不問 |
このように、介護職はスキルや経験を積めば積むほど、長期的なキャリア形成ができる職種でもあります。
最近では、福祉用具専門相談員や認知症ケア専門士など、専門分野に進む人も増えています。
「働きながらスキルアップしていける」ことが、介護職の魅力のひとつです。
5.3 今後注目される介護の新しい形
介護業界は今、大きな変革期にあります。
従来の「人手に頼る介護」から、テクノロジーを活用したスマート介護への移行が進みつつあります。
注目される新しい介護の形はこちらです。
介護ロボットの導入:移乗・見守り・歩行補助などのサポート機器
ICT記録システムの普及:スマホやタブレットでケア記録を簡単に入力・共有
オンラインでのケアプラン会議や家族面談
自立支援型介護:本人の残存機能を活かすケア方針へのシフト
こうした取り組みは、職員の負担軽減だけでなく、利用者のQOL(生活の質)向上にもつながっています。
さらに、地域包括ケアや在宅支援の強化も進められており、施設だけでなく地域全体で支える介護が求められる時代です。
現場では、「介護=現場で体を動かすだけ」という固定観念が変わり始めています。
情報管理が得意な人はICT分野へ
レクリエーションが好きな人は企画専門へ
カウンセリング力を活かして相談業務へ
こうした多様な働き方が可能になりつつある今、自分の強みを活かした新しいキャリアも描けるようになってきました。
▶︎6. まとめ:介護の仕事は人の生活を支える大切な役割
6.1 この記事のまとめ
ここまで「介護の仕事とは?」というテーマで、仕事内容・必要な資格・やりがい・向いている人の特徴・業界の現状と未来まで幅広く解説してきました。
あらためてポイントを振り返ってみましょう。
介護の仕事は、高齢者や障がいのある方の生活を支える社会的に重要な職種
未経験・無資格からでも始められ、ステップアップの道も豊富
「人との信頼関係」や「役に立てる実感」がやりがいにつながる
自分の性格や働き方に合った施設や職種選びが大切
高齢化社会の中で今後ますます求められる仕事
介護職はただの“サポート役”ではなく、誰かの人生に寄り添い、前向きに支える「生活のパートナー」です。
「人のためになりたい」「やりがいのある仕事を探している」そんな想いを持つ方にとって、介護は非常に魅力的な選択肢です。
6.2 自分に合った介護の仕事を見つけるには
介護の仕事には、多くの可能性があります。
だからこそ、自分に合った働き方や職場を見つけることがとても大切です。
以下のポイントを意識してみてください。
自分の価値観・性格・得意分野を整理する
例:体を動かすのが得意、会話が好き、人の変化に気づけるなど
働きたいスタイルを明確にする
日勤だけ/夜勤あり/パート勤務/施設 or 訪問 など
見学や体験入職で現場の雰囲気を知る
入ってから後悔しないよう、職場選びは慎重に
さらに、資格取得のサポートがある職場や、チーム体制がしっかりしている環境を選ぶことで、安心してステップアップできます。
忙しい日々の中でも、ふと「今日も誰かの役に立てた」と感じられる仕事は、そう多くありません。
介護の仕事は、そんな気持ちを毎日の中で実感できる、かけがえのない職業です。
あなたも、自分らしい介護のかたちを見つけてみませんか?
▶︎介護の仕事を始めるなら、医療法人 博順会で一歩を踏み出しませんか?
リハビリテーション、デイケア、ショートステイ、訪問支援まで幅広い介護サービスを展開する医療法人 博順会は、高萩市に根ざした医療・介護の連携体制が強みです。
未経験からでも安心して働ける環境づくりに力を入れており、チームワークを大切にした現場であなたのチャレンジを応援します。
▶詳しくは医療法人 博順会のホームページをご覧ください。
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