介護サービスの種類を徹底解説|目的別に選び方と特徴を紹介
- 医療法人 博順会
- 11月19日
- 読了時間: 23分

▶︎1. 介護サービスの種類とは

1.1 介護サービスの種類の定義と背景
介護サービスの種類とは、高齢者や要介護者の生活を支えるために提供される多様な支援の形を指します。
食事や入浴、移動といった身体的なサポートだけでなく、心のケアやリハビリ、医療的支援まで幅広く含まれます。
もともと介護サービスは、家庭内で家族が担うことが多いものでした。
しかし、高齢化の進展や核家族化の影響で、家庭だけでの介護が難しくなった背景があります。
その結果、国が介護保険制度を整備し、「在宅」「通所」「入所」「地域密着型」などの多様なサービスが生まれました。
介護サービスの種類は、大きく分けると次のように整理できます。
在宅サービス: 自宅にいながら受けられる訪問介護や訪問リハビリなど
通所サービス: デイサービスなど、施設に通って受ける介護支援
施設サービス: 介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに入所して受ける介護
地域密着型サービス: 地域の中で生活を続けるための支援や認知症対応型の介護
このように、介護サービスの種類は利用者の「どこで」「どのように」生活したいかによって選択が変わります。
自宅で暮らし続けたい人もいれば、安心できる施設で生活したい人もいます。
介護サービスの種類は、本人の希望や家族の状況、要介護度によって最適な形が異なるのです。
介護サービスの種類を正しく理解しておくと、必要な支援をスムーズに受けられるようになります。
たとえば、「まだ自分で動けるけれど買い物や入浴が大変」という人は訪問介護やデイサービスを活用できます。
一方で、「リハビリをしながら在宅復帰を目指したい」場合は介護老人保健施設を利用するなど、目的に応じた選び方が大切です。
介護保険制度では、これらのサービスが体系的に整理され、要介護度ごとに利用できる範囲が定められています。
そのため、まずは「どんな種類の介護サービスがあるのか」を理解することが、今後の生活設計の第一歩になります。
介護サービスの種類を知ることは、自分らしい暮らしを守るための最初の準備といえるでしょう。
1.2 介護サービスの種類が増えてきた理由
介護サービスの種類がここまで多様化した背景には、社会構造の変化と高齢化の進展が深く関わっています。
かつては家族の中で介護を担うのが一般的でしたが、今では共働き家庭の増加や単身高齢者の増加により、家庭だけで支えることが難しくなりました。
特に、次の3つの要因が大きなきっかけとなっています。
高齢化の進行による介護ニーズの拡大 平均寿命の延びに伴い、要介護状態が長期化する人が増えています。 これにより、生活支援だけでなく、リハビリや医療的ケアなど、より専門的な介護サービスが必要になりました。
家族構成の変化と地域社会のつながりの薄れ 都市部を中心に、親と子が離れて暮らすケースが増えています。 そのため、近くに頼れる家族がいない高齢者が増え、「在宅で支援を受けながら暮らす」という新しい介護の形が広まりました。
国の介護保険制度によるサービス拡充 介護保険制度が始まったことで、民間・行政・医療機関が連携し、多様なサービス提供が可能になりました。 訪問介護やデイサービスに加えて、認知症対応型や小規模多機能型など、より個別化された支援も登場しています。
たとえば、仕事を続けながら高齢の親を支える人にとっては、通所リハビリや短期入所のサービスが頼りになります。
一方で、一人暮らしの高齢者にとっては、訪問介護や配食支援など、日常生活を継続するための「在宅支援型サービス」が欠かせません。
このように、介護サービスの種類が増えたことで、 ・自分の生活リズムを崩さずに支援を受けられる
・家族の負担を分散できる
・必要なサポートだけを選んで受けられる
といった柔軟な利用ができるようになりました。
しかし同時に、「種類が多すぎて違いが分からない」「どれを選べばいいか迷う」という声も少なくありません。
だからこそ、次の章では在宅で利用できる介護サービスの種類をわかりやすく整理していきます。
介護サービスの種類が増えた今こそ、自分に合った支援を見極める力が大切です。
▶︎2. 在宅で受けられる介護サービスの種類

在宅介護サービスは、自宅で生活を続けながら支援を受けられるのが最大の特徴です。
高齢者の「住み慣れた家で暮らしたい」という気持ちを尊重しつつ、家族の負担を減らすための仕組みが整えられています。
このセクションでは、在宅介護の中でも利用者が多い3つのサービスの種類を詳しく見ていきます。
2.1 訪問型サービスの種類と日常の場面
自宅で暮らす人にとって、訪問型の介護サービスは生活を支える柱のひとつです。
介護スタッフや医療従事者が自宅に来てくれるため、移動が難しい人でも安心してサポートを受けられます。
主な訪問型サービスの種類は以下の通りです。
訪問介護(ホームヘルプ): 入浴・排泄・掃除・買い物など、生活全般の支援
訪問看護: 看護師が健康チェックや医療ケアを実施
訪問リハビリテーション: 理学療法士などがリハビリを行い、身体機能の維持・回復をサポート
定期巡回・随時対応サービス: 24時間体制で見守りや緊急対応ができる仕組み
たとえば、朝は訪問介護で身支度を手伝ってもらい、昼に訪問リハビリで体を動かす。夜は定期巡回で安全確認をしてもらう――。
こうした組み合わせにより、自宅で暮らしながらも施設のような安心感が得られます。
ただし、利用にあたっては次のような失敗も多く見られます。
サービス内容を混同してしまう
利用時間が限られていることを考慮せず依頼してしまう
担当スタッフ間の連携不足
これらを防ぐには、ケアマネジャーとしっかり相談し、どの時間帯にどんなサポートが必要か整理しておくことが大切です。
訪問型介護サービスは、自宅での生活を支える最も柔軟なサポート手段です。
2.2 通所型/デイサービス型の種類と家庭での活用例
通所型サービス(デイサービス)は、日中だけ施設に通って介護やリハビリを受ける支援の形です。
家庭での生活をベースにしながら、社会とのつながりを保ち、体を動かす機会を確保できます。
主な通所型サービスの種類には次のようなものがあります。
通所介護(デイサービス): 入浴・食事・機能訓練・レクリエーションなどを提供
通所リハビリテーション(デイケア): 医師やリハビリ専門職による機能回復訓練を中心に実施
認知症対応型通所介護: 少人数制で認知症の進行を緩やかにするプログラムを提供
デイサービスは「外出のきっかけ」になる点が大きなメリットです。
自宅にこもりがちな高齢者が他の利用者と交流できることで、精神的な刺激にもつながります。また、家族にとっても「日中の数時間を安心して預けられる」ため、仕事や家事に集中できます。
ただし、通所サービスを利用する際にも注意点があります。
送迎時間に合わせた生活リズムの調整 慣れないうちは出発準備が間に合わないこともあります。前日の夜に服や荷物をまとめておくとスムーズです。
利用目的を明確にしないまま契約する リハビリ重視なのか、入浴支援を重視するのかを事前に伝えることで、満足度が大きく変わります。
利用後の体調変化を把握していない 通所後の疲れや眠気はよくあることです。家族が声をかけて体調をチェックしましょう。
通所型の介護サービスは、身体的な支援だけでなく「社会参加の機会」という点でも価値があります。 無理のない範囲で利用を続けることが、心と体の健康維持につながります。
2.3 福祉用具・住宅改修を含む在宅サービスの種類と注意点
在宅介護では、サービスだけでなく環境づくりも大切です。
そのために利用されるのが、福祉用具貸与や住宅改修といった支援です。
主な内容は以下の通りです。
福祉用具貸与 介護ベッド・手すり・車いす・歩行器などをレンタルして、自宅での生活を安全にサポートします。 要介護度に応じて利用できる用具が決められています。
特定福祉用具販売 ポータブルトイレや入浴用椅子など、使用者ごとに購入が必要な用具を補助金付きで購入できます。
住宅改修 手すりの取り付けや段差解消、浴室の床材変更など、転倒防止を目的としたリフォームです。 介護保険では上限20万円まで補助を受けられます。
たとえば、入浴時に立ち上がりが難しい人が浴槽の手すりを設置したり、玄関にスロープをつけることで外出の機会を増やすことができます。
こうした小さな工夫が、「自立した生活」を長く維持する鍵になります。
ただし、よくある失敗もあります。
必要以上に用具を導入してしまう 部屋が狭くなり、逆に動きにくくなることもあります。必要最低限を選ぶことがポイントです。
設置後の使い方を把握していない 特に電動ベッドや昇降機能付き椅子は、操作を誤ると危険です。導入時に必ず説明を受けましょう。
補助金の申請手続きを忘れてしまう 住宅改修は事前申請が必須です。工事を始める前にケアマネジャーと相談しましょう。
福祉用具や住宅改修を適切に取り入れれば、介護の負担を大きく減らせます。
たとえば、トイレに手すりをつけるだけで介助時間が1回あたり2〜3分短縮され、1日で10分以上の時短につながるケースもあります。
在宅介護では、「人の支援」と「環境の整備」を両立させることが大事です。
この2つをバランスよく組み合わせることで、利用者も家族も安心して在宅生活を続けられます。
▶︎3. 施設利用を前提とした介護サービスの種類

介護サービスの中でも、「施設に入所して受けるタイプ」は、医療や介護を24時間体制で受けられる安心感があります。
在宅介護が難しくなったときや、リハビリを通して自立を目指すときに選ばれることが多いです。
ここでは、主な施設サービスの種類と特徴、選び方のポイントを詳しく見ていきます。
3.1 入所型施設サービスの種類と選び方
入所型の介護施設は、生活支援と介護を一体的に提供する場です。
入浴や食事、排泄の介助はもちろん、医療的ケアやリハビリ、レクリエーション活動まで幅広い支援を受けられます。
主な入所型施設の種類は以下の通りです。
介護老人保健施設(老健) リハビリを中心に、自宅への復帰を目指す人のための施設。医師やリハビリ専門職が常駐しています。
特別養護老人ホーム(特養) 要介護度が高く、長期的に介護が必要な人のための生活施設。低料金で利用できる点が特徴です。
介護付き有料老人ホーム 生活のサポートに加えて、介護職員が常駐し、医療機関とも連携しています。サービスの自由度が高いのが特徴です。
入所型施設を選ぶときのポイントは3つあります。
介護の目的を明確にする 「在宅復帰を目指したい」「長期入所で安心したい」など、目的によって適切な施設は異なります。
医療体制と職員配置を確認する 夜間の看護師体制や医療連携の有無を事前に確認しておきましょう。
見学や体験利用を行う 施設ごとに雰囲気やサービス内容が異なります。1〜2回の体験利用が安心です。
たとえば、リハビリを目的に入所した場合、1日1時間の訓練を週5日受けると、平均して2〜3週間で歩行能力が安定する傾向があります。
このように、入所型施設は自立支援の第一歩としても有効です。
入所型介護施設は、生活の安心と機能回復を両立できる大切な選択肢です。
3.2 療養・医療型施設サービスの種類
介護度が高い人や、医療的な管理が必要な人には、療養・医療型の施設サービスが適しています。
入院ほどではないが、継続的な医療支援が必要な場合に利用されるケースが多いです。
主な施設種類は以下の通りです。
介護療養型医療施設 長期療養が必要な人のための施設。医師や看護師が常駐し、医療と介護の両方を提供します。
医療対応型老人ホーム たん吸引・胃ろう・人工呼吸器などの医療処置に対応しており、終末期までのサポートが可能です。
介護医療院 「生活の場」と「医療の場」を兼ね備えた新しいタイプの施設。医療的ケアを受けながらも、家庭的な環境で過ごせます。
療養型施設を選ぶ際の注意点は以下の3つです。
医療と介護の連携体制を確認する 医師・看護師・介護職員の連携が取れていないと、ケアの質が落ちてしまいます。
治療方針や延命措置の考えを共有しておく 入所時に家族と医療スタッフがしっかり話し合うことが大事です。
生活の質(QOL)を意識する 医療的管理が中心でも、生活の楽しみを持てるよう工夫する施設を選びましょう。
療養型施設では、「治療だけでなく、穏やかな日常を守る」ことが重視されています。
たとえば、音楽療法や園芸活動などを通して心の安定を図る取り組みもあります。
医療的支援が必要な人でも、自分らしく穏やかに過ごせる場所が療養型施設です。
3.3 費用・要介護度との関係から見るサービスの種類の違い
介護施設を選ぶときに気になるのが「費用」と「要介護度」の関係です。
この2つは密接に関係しており、施設の種類ごとに料金や利用条件が変わります。
以下に一般的な目安を示します。
施設の種類 | 要介護度の目安 | 月額費用の目安(自己負担) | 特徴 |
介護老人保健施設 | 要介護1〜5 | 約8万〜13万円 | リハビリ中心、在宅復帰を目指す |
特別養護老人ホーム | 要介護3〜5 | 約7万〜12万円 | 長期入所型、費用が比較的低い |
介護付き有料老人ホーム | 要支援〜要介護5 | 約15万〜25万円 | サービス自由度が高く、快適性重視 |
介護医療院 | 要介護3〜5 | 約10万〜18万円 | 医療管理が必要な人向け |
費用面でよくある失敗は以下の通りです。
入所費用だけで判断してしまう 初期費用やオプション料金(リネン代・医療連携費など)がかかる施設もあります。
介護度が変わると費用が上がることを見落とす 要介護度が上がると、介護サービスの単位数が増え、自己負担も増加します。
医療費や生活費を別に見積もっていない おむつ代や薬代が別途請求されるケースもあるため、事前に確認が必要です。
施設選びでは、費用だけでなく、「どのように過ごしたいか」を基準に考えることが大切です。
月々の支出をシミュレーションし、家族の負担を含めて検討すると後悔がありません。
費用と要介護度を正しく理解することで、自分に合った介護サービスの種類を選べます。
▶︎4. 地域に根ざした介護サービスの種類―地域密着型サービスを活用する
介護の現場では、近年「地域で支える介護」という考え方が広がっています。
その中心となるのが、地域密着型の介護サービスです。
利用者が住み慣れた場所で、顔なじみのスタッフや近隣の人々と関わりながら暮らしを続けられるよう支援する仕組みです。
地域密着型サービスは、自治体ごとに運営されており、地域の実情に合わせた柔軟な支援が受けられます。
このセクションでは、サービスの種類と活用例、そして利用時の注意点を紹介します。
4.1 地域密着型サービスの種類と地域での実践例
地域密着型介護サービスは、「自宅に近い環境で生活を続けたい」という希望を叶えるために設計された制度です。
大規模な施設よりも小規模な拠点が多く、スタッフとの距離が近いのが特徴です。
主な地域密着型サービスの種類は次の通りです。
小規模多機能型居宅介護 「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて利用できるサービス。家庭的な雰囲気の中で支援を受けられます。
看護小規模多機能型居宅介護 介護職員と看護師が連携し、医療的ケアも含めた支援を行います。退院直後や在宅療養中の方にも対応。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 少人数で共同生活を送り、スタッフの見守りの中で家事や調理などを分担しながら暮らします。
地域密着型通所介護 少人数でのデイサービス。利用者一人ひとりに合わせた細やかな対応が特徴です。
これらのサービスは、「その人らしい生活を地域で続ける」ことを目的としています。
たとえば、グループホームでは利用者が毎朝一緒に朝食を作り、買い物に出かけるなど、家庭的な生活リズムを保てます。
こうした活動が、認知機能の維持にもつながるとされています。
地域密着型サービスは、生活の延長線上にある介護の形です。
大規模施設のような非日常ではなく、日々の暮らしをそのまま続けられる点に価値があります。
4.2 認知症対応型・多機能型の介護サービスの種類と活用ポイント
認知症の人が増える中で、認知症対応型の地域密着サービスの重要性が高まっています。
症状の進行を遅らせたり、安心して生活を続ける環境を整えるための支援が行われます。
代表的なサービスは次の通りです。
認知症対応型通所介護: 専門スタッフが少人数制でケアを行い、穏やかな環境で過ごせる
グループホーム: 家庭的な環境で生活し、調理や掃除などを通じて役割を持つことで自立を促す
看護小規模多機能型居宅介護: 医療と介護を一体化し、病状の変化にも柔軟に対応できる
認知症ケアでは、「できることを奪わず、できる範囲を支える」ことが大切です。
たとえば、毎日同じスタッフが対応することで、利用者の不安を軽減し、安心感を高められます。
また、地域の商店や公園などに出かける活動を通じて、社会とのつながりを保つ取り組みも増えています。
認知症対応型サービスを活用する際のポイントは次の3つです。
本人の生活歴や性格を理解してもらう サービス開始前に、好きな食べ物や過去の趣味などを共有しておくと、より自然なケアが可能です。
家族との連携を密に取る 家庭での様子や体調変化を施設と共有することで、安心してケアを任せられます。
地域との交流を保つ 閉じた環境ではなく、地域行事や買い物などを通じて外の世界と関わることが認知機能維持に役立ちます。
認知症対応型サービスは、症状を受け止めながら「その人らしさ」を守るための支援です。
4.3 地域密着型サービスを選ぶ際の3つの注意点
地域密着型サービスは便利な反面、地域ごとに内容や質に違いがあるため、選び方に注意が必要です。
利用前に確認しておきたいポイントを3つに整理します。
サービス提供範囲を確認する 地域密着型は、市区町村単位で運営されているため、利用できるのは原則として住民票のある自治体内のみです。 転居予定がある場合は注意が必要です。
事業所ごとの特色を把握する 同じ「小規模多機能型」でも、介護重視・レクリエーション重視など方針が異なります。 見学を通じて、雰囲気や職員の対応を直接確認しましょう。
地域とのつながりを重視する 「地域交流」「ボランティア受け入れ」「家族会」など、地域との関係を大切にしている事業所を選ぶと安心です。 孤立せず、周囲とのつながりを保てる環境が理想です。
また、地域密着型サービスは規模が小さい分、予約が埋まりやすい傾向があります。
ケアマネジャーに早めに相談し、複数の候補を挙げておくとスムーズに手続きが進みます。
地域密着型介護サービスは、「地域で生きる」を実現するための最前線の支援です。
地域との関係を大切にしながら、本人と家族が安心して過ごせる環境づくりが求められます。
▶︎5. 介護サービスを選ぶ際に押さえたいポイント
介護サービスの種類は多く、それぞれ目的や特徴が異なります。
だからこそ、「どれを選べばいいか分からない」という悩みを持つ人は少なくありません。
ここでは、失敗しがちなポイントと、賢く選ぶための考え方を3つの観点から整理します。
5.1 自分/家族に合った種類を選べない失敗例とその解決策
介護サービスを選ぶときに起こりやすい失敗の多くは、情報不足や思い込みが原因です。
よくある失敗と解決策を3つ紹介します。
「とりあえず知名度のある施設を選ぶ」 人気や評判だけで選ぶと、実際の生活スタイルに合わない場合があります。 解決策は、「介護の目的を明確にする」こと。 リハビリ重視なのか、生活支援中心なのかを決めてから選ぶと、満足度が高くなります。
「費用だけで判断する」 安さを重視すると、サービス内容が自分の希望と合わないことがあります。 費用の比較では、月額料金だけでなく、食費・医療費・オプション料金まで含めた総費用で判断しましょう。
「家族の都合を優先しすぎる」 介護は長期的に続くものです。本人の生活リズムや性格に合わないと、ストレスが溜まりやすくなります。 ケアマネジャーを交え、家族全員が納得できる形を話し合うことが大切です。
また、施設や在宅サービスの見学・体験利用を積極的に行うのもポイントです。
1回の見学で印象が大きく変わることも多く、「現場を自分の目で確かめる」ことが最も確実な判断材料になります。
5.2 サービスを組み合わせるメリットと活用シーン
介護保険の仕組みでは、複数のサービスを組み合わせて利用できます。
上手に活用すれば、介護の質も家族の負担も大きく改善できます。
代表的な組み合わせ例を紹介します。
組み合わせ | 特徴 | メリット |
訪問介護+デイサービス | 在宅生活を続けながらリハビリ・交流もできる | 生活支援と機能回復を両立 |
通所リハビリ+短期入所 | 自宅介護と休息をバランスよく取れる | 家族の負担軽減 |
小規模多機能型+訪問看護 | 医療と生活支援を両立できる | 病状変化にも対応可能 |
たとえば、平日はデイサービスで運動や交流を行い、週末は訪問介護で自宅支援を受けることで、生活のリズムが安定します。
また、家族が出張や旅行の際には短期入所(ショートステイ)を利用すれば、安心して預けられます。
このように組み合わせを工夫すると、
利用者の体力や気分に合わせて柔軟に調整できる
家族の介護負担を週単位で分散できる
急な体調変化にも対応しやすくなる といったメリットがあります。
ただし、複数サービスを使うと、スケジュール調整や連絡ミスが起こることもあります。
そのため、中心となるケアマネジャーが情報を整理し、「全体のバランス」を管理することが成功のカギです。
5.3 サービスを選ぶ際に押さえるべき「要介護度」「費用」「地域の体制」
介護サービスを正しく選ぶには、自分(または家族)の状態と制度の仕組みを理解することが欠かせません。
ここでは、3つの基本ポイントを紹介します。
要介護度を正しく把握する 介護サービスは、要介護認定の結果に応じて利用できる範囲が決まります。 たとえば、要支援1・2では訪問型や通所型の一部のみが対象となり、要介護3以上で施設入所が検討できるケースが多いです。 介護度が変わったときは、速やかにケアプランを見直しましょう。
費用負担の上限を確認する 介護保険では、原則1割〜3割負担でサービスを受けられます。 ただし、所得によって自己負担割合が変わるため、世帯収入と介護度の両方を考慮した費用計画を立てておくと安心です。
地域の介護体制を知る 地域によって利用できる事業所数やサービスの種類が異なります。 たとえば、都市部ではデイサービスが多く、地方では訪問介護や地域密着型サービスが中心です。 市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで情報を確認しておくと良いでしょう。
これらを踏まえて選ぶと、ムダなく効果的に介護サービスを活用できます。
介護サービスの種類を理解し、制度・費用・地域をバランスよく考えることが、納得のいく選択につながります。
▶︎6. 医療法人 博順会の介護サービスの種類と特徴
ここでは、医療法人 博順会が提供する介護サービスを中心に、地域に根ざした総合的なサポート体制について紹介します。
医療と介護を一体化した取り組みを通して、利用者が安心して自分らしい生活を続けられる仕組みを整えています。
6.1 提供しているサービスの種類とそれぞれの特徴
医療法人 博順会では、主に以下の3つの事業所を中心にサービスを展開しています。
それぞれの役割を理解することで、利用者がどのような支援を受けられるかが明確になります。
高萩クリニック(医療支援部門) 整形外科・内科を中心とした外来診療を行い、日常的な健康管理から専門的治療まで幅広く対応しています。 併設する介護施設と緊密に連携し、「医療と介護の橋渡し」として地域の中核を担っています。
介護老人保健施設 博純苑(介護・リハビリ支援部門) リハビリを中心に、自立支援を重視した介護サービスを提供しています。
提供サービスには以下が含まれます。
入所サービス
通所リハビリテーション(予防含む)
短期入所療養介護(予防含む)
訪問リハビリテーション(予防含む)
これらを組み合わせることで、入院後の在宅復帰や、介護度の改善を目指す利用者を支えています。
居宅介護支援事業所(ケアマネジメント部門)
ケアマネジャーが利用者や家族の相談に応じ、最適な介護プランを作成します。 行政や医療機関とも連携し、複数サービスを一元的に調整する役割を担っています。
この3つの事業所が密接に連携することで、医療・介護・相談支援がひとつの流れとして機能します。
「切れ目のない支援体制」こそが博順会の大きな強みです。
6.2 安心・手軽さの観点で利用者が感じるサービスのメリット
博順会の介護サービスは、利用者目線に立った「安心・手軽さ」を重視しています。
それは次の3つの点に表れています。
医療と介護の連携による安心感 たとえば、介護施設で体調変化があった場合も、高萩クリニックと即時に連携して診察や治療を受けられます。 病院探しや転院の手間がなく、家族も安心して任せられる体制です。
在宅・通所・入所のすべてを網羅した支援体制 利用者の状態や生活環境に応じて、在宅介護から施設入所まで柔軟に切り替え可能です。 「通所リハビリで通っていた方が、必要に応じて短期入所へ移行する」といったスムーズな対応が実現しています。
相談から利用開始までの手続きがスムーズ 居宅介護支援事業所のケアマネジャーが中心となり、サービス選定や介護保険申請をトータルサポートします。 初めての方でも手続きを一から説明してもらえるため、不安を感じることなく利用を始められます。
また、家族からは「一か所で医療も介護も完結できるのがありがたい」という声が多く聞かれます。
特に、リハビリを通じて「自分でできることが増えた」という実感を持つ利用者も多く、生活の質向上につながっています。
医療と介護が一体となったサービスは、利用者の“暮らし続ける力”を支える大きな柱です。
6.3 初めて検討する方に向けたステップ
介護サービスを初めて検討する場合、どこから始めればいいか迷う人が多いものです。
博順会では、初めての方でも安心して利用を始められるよう、分かりやすいステップを用意しています。
まずは相談窓口へ連絡 電話や窓口で現在の状況を伝えると、専門スタッフが最適な対応を案内してくれます。
ケアマネジャーとの面談 希望する生活スタイルや健康状態を踏まえて、介護サービスの種類や利用方法を提案します。
サービス開始・フォローアップ 利用開始後も、体調や介護度の変化に応じてケアプランを定期的に見直します。
この一連の流れを通して、「分からないことをそのままにしない」体制が整っています。
相談からサービス開始までの平均期間は約1〜2週間とスピーディーで、急な支援が必要な場合にも迅速に対応可能です。
また、家族だけで悩まず、まずは気軽に相談してみることが何よりも大切です。
一歩踏み出すことで、介護への不安が安心に変わります。
■まとめ
ここまで、介護サービスの種類を「在宅」「施設」「地域密着」「医療連携」という4つの視点から解説しました。
それぞれのサービスには目的があり、利用者の生活スタイルや健康状態に応じて最適な選択が異なります。
そして、博順会のように医療と介護が連携した体制では、
状況に応じてサービスを切り替えやすい
医療支援を受けながら安心して生活できる
家族も負担を感じにくい という大きなメリットがあります。
介護サービスの種類を理解し、正しく選ぶことで、誰もが自分らしい暮らしを続けることができます。
もし介護に関する悩みや不安があるなら、専門のケアマネジャーや地域の支援機関へ早めに相談してみてください。
介護の第一歩は、「知ること」から始まります。
▶︎医療と介護の両面から支えるケアなら医療法人 博順会へ
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地域に根ざした体制で、利用者とご家族の安心を支えます。
まずはお気軽にご相談ください。あなたに合った最適な支援方法をご案内します。
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